現在開催中の「ファンタジックアート展」。
画廊に来てくれる多くの人たちが「すごいレベル!」「素晴らしいクオリティですね」
等々と、口々に褒めていただけるので、誇らしく思う。
手前味噌なことなので、自分のギャラリーのことを自画自賛しても
仕方ないのであるが(笑)、長年、莫大な数の絵も見てきたし、また
アンティークや古美術といった世界にもどっぷりつかってきたので
それなりの審美眼といったものにも自負があるつもりである。。
いま開催してる展示会のことについて自分なりの感想を言えば、参加してもらってる
作家さんも、新人・中堅・ベテランと様々ではあるが、みなさんそれなりにプロとして
活躍してきている人ばかりである。なので、もはや、絵が上手いとか、クオリティが
高いとか、それはもうある意味、当たり前のことでもあり、そこは基本としてクリア
してなければいけないことであり、そしてその基本はすでにしっかりしている人達
ばかりと思っていて、そこから、さらに、絵としての物語性とか詩情性とかオリジナ
リティとか感性とか、そういう部分で勝負かけてるというか秀でてる方達というか
(ギャラリストとしても)そういう作家さんたちにお声をかけ、ご参加いただいてる
という次第。そしてそんな作家達によるファンタジックアート展と自負している。。
なのでとても魅力に溢れた展示会になっていると、私自身心からそう思っている。
絵描きというのは、いつも思うに特殊な不思議な世界。プロとは言っても、
この世界でそれだけ食べていくのは、それなりの才能があっても至難の技でもある。。
多くの人がその才能を認められつつも、他の仕事をされてる方も多い。
といっても、カルチャーや教室で美術講師をされてるとか、イラストレーターや
デザイナーをされてるとか、それぞれの才能をいかした仕事の方が多い。で、たとえば、
企業のイラストレーターでいえば、絵が好きでそういう「職業」になったとはいえ、
たとえば、クライアントがサンリオであればキティちゃんを描き続けなきゃいけないし、
うちに以前いた学生バイトの子が、その後、イラストレーターの事務所に入ったが、
近況聞くと、恐竜図鑑の仕事で、半年以上、恐竜に興味ないのに、毎日、なんちゃら
ザウルスとか描いてたり。。。とか、そういうこと普通にあり。。でも自己の世界も
表現したく。。
自分も若いころ、コピーライターだったので、そういう辛さ、よくわかる(笑)。
そう、創作の世界は、お金や収入だけでわりきれない世界もあり、なので、
逆にイラストレーターなどで十分に安定した収入があるけど、帰ってから、また夜、
自己の世界の絵を描く「画家」となって活動してる人だって、ものすごく多かったりする。
そこはもうたんにお金を稼ぎたいとかではなく、(まぁ労力も経費もかかるので、
またプロとしてそれなりの金額をとっているが、それ自体が目的ではないというか)。
そうした点でも絵描きという世界は面白いものである。。いわゆる一般的な仕事における
「あ〜今日も仕事か〜、、、つらい」とか「あぁ、また月曜がはじまった・・」とか
そういうことは微塵もなく、逆にそういうこと感じでやってるなら、絵描きなど
やめたほうがいい(って自分は思ってる)。昨夜は、若いメンバー中心に、参加作家の
懇親会をしたのだけれど、和気藹々とアートの話しを興じつつ、みんなアートが好き
なんだなと(当たり前だけど)。。そして談笑しつつも、ひしひし、アートへの情熱を
感じる人ばかりだった。。いや、これは昨夜に限らず、年間通じて、たくさんの作家
の人との交流で感じることだけど、ほんとどの作家も、情熱ハンパない。。
さっき言ったように、ほとんどの方が、別に、毎日アトリエにこもってただ絵だけ
描いてるってわけでなく、他に正規の仕事、もしくはバイト等しながら、もしくは主婦業とかしながら、そして夜は夜で画家で、、休みの日となれば、作家仲間の展示会見に行ったり、
画材等仕入れに行ったり、より自己のレベルをあげるため、画塾等、偉い先生の元に習いにいったり、、そんな画家達、どれほど多いことか。。。
それはあまりにたくさんいる。。みんな情熱の塊なのである。
というか、それくらい気持ちがないと、できない世界であるといか。。。
そして、そういう仲間と日々、良きライバルとして切磋琢磨し、また励ましあって、
ともに展示会を開催してること、、、それがなによりも楽しく嬉しく感じることでもある。。。
(ファンタジックアート展より)